白内障手術

白内障手術の方法

白内障手術にフェムトセカンドレーザーを導入!

2016年1月の手術より、フェムトセカンドレーザーを導入し、手術の方法を一部変更しました。従来、術者の “感覚”や“経験”で行われてきた「角膜切開」、「水晶体前嚢切開」、「水晶体分割」をコンピューター制御下で精密にできるようになりました。レーザー照射時間は、約1分です。

手術方法の違い
手術方法

白内障の手術時間は、片眼で約30分です。当日の所要時間は、手術前の準備、手術後の休憩時間を含めると、約2時間半かかります。手術後に眼帯をつけるため、両眼とも手術を受けられる場合でも日を分けて片眼ずつ手術を行います。もう片眼の手術は最短で約1週間後になります。

手術方法1

手術前に、抗生物質と瞳孔を大きく開く目薬を点眼します。点眼終了後、レーザー用のベッドに横たわります。

手術方法2

局所麻酔後、眼球表面にサクションリング(目を固定する器具)を取り付けます。

手術方法3

フェムトセカンドレーザーで、水晶体を覆っている嚢(のう)という膜の前面(前嚢)の切開、水晶体の分割、角膜の切開を行います。

手術方法4

手術用のベッドに移動します。レーザーで分割した水晶体を全て吸引します。

手術方法5

眼内レンズを目の中に挿入し、嚢(後嚢)の中へ留置します。

手術方法6

最後に大きな眼帯を付けて終了です。回復室で10分ほど休憩後、帰宅可能になります。

当院で使用するフェムトセカンドレーザーは、アメリカのAMO社のカタリスです。目に優しい接触面、患者様に合わせたレーザー照射設定を作成可能にする精密な断層解析、誤差がほとんど出ない正確なレーザー照射などが特徴です。前嚢を真円状に切開できるので、眼内レンズの位置ズレが発生しにくくなるメリットがあります。カタリスカタリス2

フェムトセカンドレーザーによる乱視矯正

カタリスには、レーザー照射の際に角膜内を部分的に切開することで、軽度の乱視の矯正が可能なプログラムが付属しています。乱視用レンズの適応にならない場合でも、従来より視力の矯正が可能になりました。catalys_ak

フェムトセカンドレーザーを使用した白内障手術のメリット

  • 前嚢切開が任意のサイズと位置で行えることにより、眼内レンズの位置ずれや傾きなどの問題が起こりにくく、良好な術後視力に貢献します。
  • レーザーで水晶体の分割を細かく行うことにより、濁った水晶体をスムーズに取り除くことが可能になります。超音波発振時間が短くなり、角膜内皮細胞など眼内組織への影響が軽減されます。
  • 軽度の乱視も同時に矯正できるレーザープログラムがあります。

フェムトセカンドレーザーを使用した白内障手術のデメリット

  • 使用機器が高額なため、手術費用が高くなります。
  • 結膜下出血(白目の出血)の可能性があります。

手術後の度数誤差を減らすために

眼内レンズの度数を決めるために、角膜のカーブや目の長さ(眼軸)の数値が必要になります。 手術前に2回検査を行い、データにブレがないか確認してからレンズの度数を決定しオーダーしていますが、白内障の濁りにより正確なデータの測定が難しいなどの理由で、手術後に度数誤差が出てしまうことがあります。そこでみなとみらいアイクリニックでは、手術中にリアルタイムで目の度数を測定できる、アルコン社製 "ORA™術中波面収差解析装置" を2016年5月より導入しました。これにより、事前に用意した眼内レンズの度数が実際に合っているかどうかを確認し、もし必要があれば臨機応変に別の度数のレンズに変えて眼内に挿入できるようになりました。

また、乱視用の眼内レンズは目の中で角度が1度回旋するごとに乱視矯正効果が3.3%下がると言われており、正しい位置に多焦点眼内レンズを固定することはとても重要なため、みなとみらいアイクリニックではアルコン社製VERIONイメージガイドシステムを導入しています。VERIONイメージガイドシステムには術前検査で測定した角膜屈折値や強結膜血管、虹彩、輪部の情報を元にしたトラッキング機能が備わっており、手術中に目が動いた場合でも1度単位の正確さで「乱視用多焦点眼内レンズを固定すべき位置」を医師が使用する顕微鏡下に表示します。このガイド位置を確認しながら乱視用多焦点眼内レンズの固定をするので、より正確な乱視矯正が可能になっています。 ora&verionora&verion2

ただし、これらの最先端機器を手術中に使用しても、近視・遠視・乱視がわずかに残る可能性はあります。手術後3か月以上経過して目の状態が安定した後も見えにくさを感じる場合は、無料でレーシック手術での微調整も可能です。(レーシック適応の方のみ、手術後半年以内1回限り)

みなとみらいアイクリニックでは、白内障手術後の度数誤差を限りなく抑え、多焦点眼内レンズの効果を最大限に発揮できるように努めています。