白内障手術

白内障手術 Q&A

白内障手術について

白内障手術を受けるとどれくらい視力が回復しますか?

白内障により水晶体に濁りがあるために、本来の矯正視力がどれくらいなのか確認できないので、手術前に手術後の視力の数値をお伝えすることは難しいです。白内障手術で濁りが取り除かれて、眼内レンズで近視・遠視・乱視をある程度矯正できていれば、日常生活が問題なく過ごせる程度の視力が得られると推測されます。

白内障手術後、すぐ見えるようになりますか?

白内障手術後、数日間は眼帯で目を保護します。両眼とも眼帯がはずれて数日から1週間ほどで見やすくなってきますが、多焦点眼内レンズの場合は自然な見え方になるまでに、一般的に3か月ほどかかります。

単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの違いは何ですか?

単焦点眼内レンズは、健康保険で手術が受けられるので費用が安くなりますが、1箇所にしか焦点を合わせられず、遠くを見やすいように設定すると近くはぼやけて見えにくくなりますので、老眼鏡が必ず必要になります。多焦点眼内レンズは自費で費用が高額になりますが、複数箇所に焦点が合うため、遠くも近くもある程度メガネなしで見えるようになります。近くは新聞やメニュー、携帯などの大きさの文字が裸眼で読めるぐらいの効果があり、それ以上小さいものを見る際には老眼鏡が必要になる場合があります。

痛みはありますか?

白内障手術中は麻酔をしているので痛みを感じることはほとんどありませんが、目を大きく開くために違和感があったり、目を触られたり押されたりする感覚は残ります。手術後は麻酔が切れると、軽い痛みや異物感を感じる場合があります。痛みの程度には個人差がありますが、心配されるような痛みはほとんどありません。

乱視は治りますか?

乱視用のレンズがありますので、乱視も矯正することができます。

白内障手術は入院が必要ですか?

当院は入院設備がないため、白内障手術は日帰りになります。遠方からご来院になる方には、近隣のホテルへのご宿泊をおすすめしています。

手術時間はどれくらいですか?

片眼につき30分前後です。手術前の準備や、手術後の休憩を含めると約2時間半かかります。

両眼同日に手術はできますか?

1週間程度間隔をあけて、片眼づつ手術を行います。白内障手術後は、4日間程度眼帯で目を保護しますので、両眼同日に行うと見えなくなってしまいます。また、同時に手術することによって、両眼同時に合併症が起こるのを防ぐためです。

初回の検査から、どれくらいで手術が受けられますか?

初回の適応検査後に再検査を行い、レンズの種類や度数を決定します。レンズがクリニックに届くまでに約2〜4週間(乱視用は1〜3か月)かかります。レンズが届きましたら、手術の予約が可能になります。

白内障手術の安全性について

合併症にはどのようなものがありますか?

手術直後は、軽い痛み、しみる、異物感などを感じる場合がありますが、ほとんど数日で消失します。手術中に球結膜(白目の部分)の血管が傷ついて内出血し、白目が赤くなってしまうことがありますが、数週間で自然に消失します。他に、眼圧の上昇、内皮細胞の減少、後発白内障などがあります。非常にまれに発生する合併症としては、感染、ぶどう膜炎、眼内炎、黄斑浮腫、駆逐性出血などがあります。

白内障は手術後に再発しますか?

白内障は水晶体の濁りです。白内障手術時に水晶体はすべて摘出しますので、再発することはありません。ただ、白内障手術後に、眼内レンズが入っている嚢(のう)という膜に濁りが生じ、白内障の時のようにかすんで見えたり、視力が低下する場合があります。これは後発白内障と呼ばれ、レーザーを用いて混濁部分を取り除く処置を行うことで改善します。後発白内障も一度処置を行うと、再発することはありません。

眼内レンズに寿命はありますか?

白内障手術に使われる眼内レンズは、耐久性や生体適合性が良い材質でできていますので、将来的に交換やメンテナンスの必要はありません。

眼内レンズがズレたり破損することはありますか?

目をこすったり、ちょっとぶつけたぐらいでは、眼内レンズがズレたり破損することはありません。眼内レンズは、袋状の嚢(のう)という部分に挿入してあります。白内障手術後に、ごくまれにその嚢が萎縮してレンズが傾いたり位置がズレることがありますが、通常は見え方に影響することはありません。もし眼内レンズが大きくズレた場合には、位置を修復するための手術を行う場合があります。

感染症の心配はありませんか?

手術室は、空気中の粒子濃度を指定された清浄度クラスに合致するよう制御された、クリーンルームになっています。清浄度を保つために、細かい粒子を捕集する高性能フィルター (HEPAフィルター) を用いて除塵・除菌を行なっています。みなとみらいアイクリニックでは定期的に洗浄度を調べ、クリーン度の維持に務めており、1999年の開院以来現在までに感染症の発症は1例もありません。
レンズを挿入するために切開した部分が治癒するまでに細菌が侵入し、感染を起こす場合がありますので、手術後1〜2週間は汚れた手などで目を触らないように十分注意して下さい。感染予防のために抗生物質のお薬を処方いたしますので、指示されたとおりにお使いください。

白内障手術の適応について

白内障と診断されたら、すぐに手術をした方がよいですか?

白内障のために、見えづらい、かすんで見える、光がまぶしく感じるなど、生活上で支障を感じでいるようであれば、手術をおすすめしています。白内障がかなり進んでいるようであれば、手術が難しくなってしまうので、早めに手術をお受け下さい。

レーシックやICL(フェイキックIOL)の手術を受けた後も、白内障手術を受けることができますか?

レーシックやICL(フェイキックIOL)の手術を受けた後に白内障になった場合も、白内障手術を受けることは可能です。ICL(フェイキックIOL)を受けられた方は、白内障手術時にはずす必要がありますが、白内障手術用の眼内レンズで近視などはある程度矯正できますので、再度目の中に挿入する必要はありません。

以前に白内障手術を受けて単焦点の眼内レンズが入っていますが、多焦点眼内レンズに交換することはできますか?

眼内レンズは目の中に挿入すると、だんだん他の組織と癒着し始めるので、ある程度時間が経ってしまうと交換が難しくなります。診察で目の状態を確認しないと診断できませんが、単焦点眼内レンズの白内障手術を受けられてから数か月から半年以内であれば、交換できる可能性があります。

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は、誰でも受けられますか?

白内障手術の手術が適応になる方は、基本的にどなたでも多焦点眼内レンズを使用できますが、瞳孔の大きさが小さい方は、多焦点の効果が出にくい場合があります。また、糖尿病がある方は、状態によっては白内障手術が受けられない場合がありますので、診察時に医師にご相談ください。

白内障手術後の生活について

白内障手術後は一人で帰れますか?

白内障手術後は、大きな眼帯をつけてお帰りいただきますので、いつもより周りが見えにくくなり、メガネも眼帯が邪魔をしてかけれない状態になります。お帰りの際は必ず付き添いの方とご一緒にお願いします。付き添いの方がいらっしゃらない場合はタクシーをご利用いただくか、近隣のホテルをご利用ください。電車・バス等のご利用は控えてください。

手術した目に痛みがある場合にはどうしたらよいですか?

すぐにクリニックまでご連絡ください。

白内障手術後は眼帯をする必要がありますか?

手術後は、感染症の発症を防ぐために、目安として4日間程度眼帯で目を保護します。

目をこすっても大丈夫ですか?

手術後1週間ぐらいは傷口が完全にふさがっていないので、特にこすらないように気をつけて下さい。傷が治った後は、目をこすった程度でレンズが外れたり傷がつくことはありませんが、もともとこすることはあまり目によくないので、なるべくこすらないように気をつけて下さい。

仕事はいつからできますか?

眼帯をしている間はなるべく休める環境をつくってください。戸外でのハードな仕事等は医師にご相談ください。

お化粧はいつからできますか?

お化粧は、眼帯がはずれた後から可能になりますが、アイメイクは手術後1週間まで控えてください。

スポーツはいつからできますか?

激しいスポーツ(格闘技・球技など)や水泳は、両眼とも手術が終了してから1か月間控えて下さい。ゴルフ等の軽度のスポーツは、手術後2〜3週間程度控えて下さい。(開始時期は医師にご相談ください)

入浴・洗髪・洗顔はいつからできますか?

入浴は手術翌日の診察後に可能になります。洗顔と洗髪は眼帯を使用している間(4日間程度)は控えて下さい。目の周りをさけて濡れタオルで清拭していただく程度は大丈夫です。