角膜クロスリンキングとは、ドイツのSeilerらが開発した手術方法です。角膜にリボフラビン(ビタミンB2)を点眼しながら365nmの波長の紫外線を角膜に照射すると、角膜の大部分を占める実質コラーゲン繊維が架橋(クロスリンキング)されます。これにより角膜の強度が強くなり、今の角膜形状を保持して円錐角膜や角膜拡張症(エクタジア)の進行を抑えることができます。また、角膜が若干平坦化するので、近視もわずかに矯正できる場合があります。研究結果に基づき、角膜内皮細胞より内側の組織には影響がない安全な紫外線の強さと照射時間で手術を行います。
この手術は、ICRS(角膜リング)挿入後の角膜に対しての形状保持にも適しています。
図1は豚眼に対しての角膜クロスリンキング有無の比較。架橋された角膜(上)は硬さが増します。
図2は角膜を平坦な台の上においたところ。架橋されていない角膜(左)は、中央部にシワができますが、架橋されている角膜(右)は、シワができません。
手術時間は約50分です。
ベッドに横たわり、麻酔薬を点眼します。
角膜の表面にある上皮を専用のブラシで取り除きます。(角膜の厚さによって実施しない場合もあり)
リボフラビン(ビタミンB2)を2分ごとに30分間点眼します。
角膜に5分間紫外線を照射します。
保護用ソフトコンタクトレンズをのせ、回復室で15分ほど休憩を取って終了です。