老眼治療

モノビジョンレーシック

遠近両用のコンタクトレンズのように、遠くも近くも見やすくなる老眼に対応したレーシックは、現状では効果的なレーザープログラムがなく、手元の見え方も考慮する場合には、両目とも弱めの視力に設定するか、モノビジョンという状態になるように目標視力の設定を行う、という2つの選択肢があります。モノビジョンとは、片眼を遠く、もう片眼は近くが見やすいように視力を調整し、両眼で見た時に遠くも近くも見えるように合わせた状態のことを言います。モノビジョンレーシックは、例えば、右眼は1.2、左眼は0.3など、左右の視力に差をつけて仕上げる、老眼の症状を自覚されている方向けのレーシックです。視力がよい目で遠くが、視力が弱い目で近くが見やすくなります。通常は、利き目を遠くが見やすいように合わせます。

手術直後は左右の見え方の差に違和感を感じる場合がありますが、脳が左右の情報を使い分けることに慣れるに従って、異なる見え方を一つの映像として自然に認識し、ほとんどメガネなしで生活ができるようになります。一般的に慣れて自然な見え方になるまで3か月ぐらいかかります。 ただし、モノビジョンは二重に見えたり違和感が強いなど、その方によっては適さない場合もありますので、最終検査の前に使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズによるシミュレーション(モノビジョンになるように度数を合わせて実際にしばらく生活をしてみる)を行っていただくことをお勧めしています。また、長時間の運転をよくされる方や、長時間パソコンを使用したり読書をする方にもモノビジョンは適さないこともありますので、検査の際によくご相談ください。

見え方の例

”見え方の例を表す図”
手術方法
手術方法1

ベッドに横たわり、麻酔薬を点眼します。

手術方法2

イントラレースレーザーを角膜に照射してフラップを作成します。レーザー照射時間は片眼約15秒です。

手術方法3

フラップをめくります。




手術方法4

エキシマレーザーを照射して角膜を削ります。照射時間は矯正度数によって異なりますが、およそ1分以内で終了します。

手術方法5

フラップを戻し、角膜をきれいに整えて自然に定着させます。

手術方法6

診察後、回復室で10分ほど休憩を取って終了です。

モノビジョンレーシックのメリットとデメリット

メリット

  • メガネなしである程度遠くも近くも見えるようになります。

デメリット

  • モノビジョン(左右で違う視力の状態) の見え方に慣れるまで、1~3か月ぐらいかかる場合があります。
  • 長時間の運転を頻繁にする方や、長時間の細かい作業をする方には向きません。
  • 両眼とも視力がよい状態や、老眼鏡使用時に比べると、見え方の "質" が若干下がる場合があります。
  • 一時的にドライアイの症状がでる場合があります。