前房型フェイキックIOLは、角膜と虹彩の間にある前房という場所に挿入し、虹彩に固定して使うレンズです。みなとみらいアイクリニックで使用している前房型レンズは、オランダのOphtec社製で、 アルチフレックス(Artiflex)と アルチザン(Artisan)の2種類のレンズがあります。 アルチフレックスは近視と乱視、アルチザンは近視、遠視、乱視を矯正することができます。
レンズはメンテンナンスフリーで、将来的にレンズの劣化等による交換も必要ありません。ヨーロッパでは1986年から前房型フェイキックIOLの手術が行われており、アメリカで2004年9月に日本の厚生労働省にあたるFDAの認可を得ています。
アルチフレックス(Artiflex)は柔らかいシリコーン製なので、わずか3.2mmの切開面から折りたたんで眼内に挿入することができます。手術後の視力の回復が早いため、現在主流のレンズです。両眼同日に手術可能です。
アルチザン(Artisan)はポリメチルメタクリレート(PMMA)製のハードコンタクトレンズのような硬さのレンズです。レンズの縦幅分の6mm弱ほどを切開して眼内に挿入するため、切開面を数針縫う必要があります。縫合した影響で一時的に乱視が増加することがありますが、その場合は手術の約2週間後に抜糸を行うとほぼ改善します。
度数の製造範囲が広く、アルチフレックスで対応できない強度の近視や遠視の目の場合に、このレンズを選択しています。
片眼の手術時間は、アルチフレックスは約15分、アルチザンは約25分です。
手術前に瞳孔を縮める目薬を点眼します。
局所麻酔後、角膜を約3.2mm切開します。(アルチザンは約6mm)
切開した部分からレンズを挿入します。
レンズの両サイドを虹彩に固定します。
アルチザンの場合は、切開した部分を縫合して終了です。