AddOn (アドオン)レンズ とは
AddOn(アドオン)レンズとは、すでに白内障の手術を受けた目に対して追加で挿入できる眼内レンズです。白内障手術で矯正しきれなかった近視・遠視・乱視の矯正が可能です。また、単焦点眼内レンズで白内障手術を受けられた方で、老眼鏡の使用頻度を減らしたいという場合には、多焦点のAddOnレンズがお勧めです。
白内障手術時は、レンズを水晶体嚢に挿入しますが、AddOnレンズはその手前の毛様溝に挿入します。
みなとみらいアイクリニックで使用してるAddOnレンズは、ドイツの1stQ GmbH社製です。4ヶ所の支持部が柔軟にたわむので、目の中の形状にフィットしやすく、ずれたり回転しにくい構造になっています。すべてのEU加盟国の基準を満たす商品に付けられる、CEマークを取得しています。
AddOnレンズは健康保険の適用外のため、費用は全額自己負担になります。
手術方法
手術時間は約15分です。
手術前に、抗生物質と瞳孔を大きく開く目薬を点眼します。
局所麻酔後、角膜の周辺部を約2.5mm切開してAddOnレンズを眼内に挿入します。
AddOnレンズを毛様溝に留置します。眼帯をつけた後、回復室で10分ほど休憩を取って終了です。
AddOnレンズ のメリットとデメリット
メリット
- さまざまな理由でレーシックが不適応の方でも、近視・遠視・乱視を矯正して裸眼で生活ができるようになる可能性があります。
- 単焦点レンズで白内障手術を受けられた方でも、多焦点のAddOnレンズを使用することにより老眼鏡の使用頻度を減らすことができます。
- 万が一AddOnレンズが合わなかった場合、摘出して手術前の状態に戻すことができます。
デメリット
- 健康保険適用外のため、手術費用が自費になります。
- 【多焦点レンズ特有のデメリット】
- 夜間や暗い場所で、街灯や車のライトがまぶしかったりにじんで見える場合があります。
- 近くは40cmぐらいの距離でものが見やすいように設計されており、それ以上近づけたり離して見ると見えにくくなります。
- 薄暗い場所では、文字などが見えにくい場合があります。
- 辞書などの小さい文字などを見る際には、老眼鏡が必要になります。
- 視力が安定して自然な見え方になるまで3〜6か月かかる場合があります。
AddOnレンズ の適応と禁忌
適応条件
- 白内障手術後の眼内レンズが嚢内に固定されている眼
- 医師の説明を理解していること
禁忌 (下記にあてあまる場合は手術の適応外になります)
- 小眼球
- 重篤な慢性ぶどう膜炎、増殖糖尿病網膜症、慢性緑内障等の活動性の眼疾病
- 18歳未満
- 角膜内皮細胞密度が低い
- 浅前房
- 挿入されている眼内レンズが偏位または嚢内固定が不安定
- AddOnレンズ挿入部位での固定が確保できない(例.前嚢周辺部の欠損、チン小帯欠損など)
- 医師の説明が理解できない
多焦点AddOnレンズの禁忌 (下記にあてあまる場合は手術の適応外になります)
- 眼疾患によって将来視力が0.7以下に低下する可能性がある
- 網膜レーザー治療の必要性が予想される
- 白内障手術時に多焦点眼内レンズが挿入されている
- 薄暮時に良好な近方視力が必要
- パイロット(アマチュア、プロにかかわらず)